ダニの話の続きです。
犬用タオルケットに居たダニの数があまりにも多かったので
前記事で捕獲しておいたダニをサンプルとして持参し
愛犬を動物病院に連れて行きました。
ダニの生態を色々と調べてみた結果と動物病院での話をまとてみました。
ダニは脚が8本あり、昆虫では無く蜘蛛の仲間にあたります。
卵から孵化したばかりの「 幼ダニ 」の段階だとまだ脚が6本で、
その後の脱皮で「 若ダニ 」になり、初めて脚が8本になります。
前記事で載せた動画で脚が6本しか見えないところから今回発見したのは
「 幼ダニ 」みたいですが、幼ダニはもっと小さいそうなので「 若ダニ 」かもと
動物病院の先生は仰っていました。
そして、どうやらこの状態は吸血した後でした。
潰しても吸った血が出て来ないように見えたのは
ダニが吸った血を消化する際に黒くなるからだそうです。
また大きさからしてその量が少なく潰してもあまり目立たなかったのかも知れません。
もう一つ、あれだけの数のダニが見付かったのに犬が痒がっていなかったのは、
ダニは吸血する際に宿主に気付かれないよう麻酔効果のある物質を出すので
体質にもよりますがあまり痒がらないそうです。
【 ダニの一生 】
ダニは取り付いた宿主の体で一生を過ごすわけではなく
地上での「 生育期 」と宿主での「 吸血期 」があり
ダニの仲間の殆どは、この生育期と吸血期を3回繰り返す『 3宿主性 』です。
草藪で卵から孵化した「 幼ダニ 」は草や枝の葉などに移動し虎視眈々と宿主を待ちます。
犬や猫、人間 等の宿主に寄生すると数日間かけて、ゆっくりと吸血し満腹になると宿主から
離れ、また草薮等に戻って脱皮し「 若ダニ 」へと成長します。
その「 若ダニ 」は 幼ダニ と同じように次の宿主を待ちます。
適当な宿主が見付かると再び寄生して数日の間 吸血を始めます。
満腹まで吸血し満足した若ダニは、また草薮に戻り、脱皮をし「 親ダニ(成虫) 」へと
成長して次の宿主が見付かるまでまた草薮などで待ちます。
この「 親ダニ 」が寄生して数日間吸血し満腹になると「あずき豆」のように
膨れ上がり容易に目に付く大きさになります。
たっぷり吸血して栄養を付けた親ダニは、三たび草藪などに戻り産卵をします。
分かり易くフローにしてみました( 緑=生育期 赤=吸血期 )
孵化「 幼ダニ 」 ↓
宿主へ一回目の寄生 ↓
離脱して脱皮「 若ダニ 」 ↓
宿主へニ回目の寄生 ↓
離脱して脱皮「 親ダニ 」 ↓
宿主へ三回目の寄生 ↓
離脱して産卵
そして重要な注意点として、もし飼い犬や猫、または人間に寄生したダニを
発見した場合、絶対にその場で潰したり無理に取り除いてはいけません。
毛や皮膚の上を移動している場合ならば取り除いても大丈夫ですが
寄生して吸血を始めると口がガッチリ皮膚に食い込んでいるので取れません。
無理に引っ張ったり払ったりすると体がもげて頭が皮膚に残り病院で
切開等の外科的処置が必要になります。
犬や猫の場合は動物病院、人間の場合は皮膚科を受診すると、寄生したダニに
薬を垂らして安全にそして完全に取り除くことが可能だそうです。
また刺された状態で潰すとダニが持っている病原体を宿主の体内に逆流させるので
絶対に潰してはいけません。
マダニ類に刺されて問題になる「ツツガムシ病」と「ライム病」という
とても怖い感染症があるそうです。
動物病院の先生の話によると、西日本のダニは『バベシア症』という
バベシア原虫よる溶血性の感染症を特に注意する必要があるそうです。
人間にも稀に発症するそうなのでダニの寄生を発見したら念の為
病院で検査を受けた方が宜しいでしょう。
長々と拙い文となりましたがペットの散歩や野山を散策する
場合はダニを意識して行動するように心掛けたいと思います。
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